コンサル出身は起業に向かないのか?社長が外資コンサル出身の企業24選

query_builder2015/12/02 folderCEO経歴
逆境 起業家 外資コンサル

はじめに

外資系コンサルティングファームは就職先として、大変人気のある業界です。上位校のなかでも頭脳に自信がある方たちが行く業界と言われています。

一方、コンサルはいつまでもアドバイザリーの立場なので自分で事業を実行することはできないと批判される場合もあります。

そこで今回は、コンサルティング、とりわけ外資系のコンサルティング・ファーム出身の経営者にフォーカスをあてて分析をしてみました。
*デロイトトーマツコンサルティングは本社日本ですが、今回の出身一覧に加えさせていただいております。
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社長が外資コンサル出身の起業家はたくさんいる

DeNA南場氏は「コンサル時代に学んだことは役に立たず、unlearningしている」という話をしきりにされています。
しかし南場氏はマッキンゼー・アンド・カンパニーを経てDeNAを創業し成功しました。コンサル時代の知見が役に立たなかったかは定かではありませんが、少なくともマッキンゼーという肩書は信頼につながりやすいのは間違いないでしょう。

南場氏の一回り以上若い世代をみてもマッキンゼーは、mixiの前CEO朝倉氏や、スポットライト柴田氏といった成功している起業家をコンスタントに出し続けている印象です。

さて、早速外資コンサル出身者の経歴をみてみましょう。一覧の表にまとめてみました。

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上記を見てみると、マッキンゼー、アクセンチュア出身の起業家が目立ちます。特にアクセンチュアは上記の22人の起業家のうち約3割の7人を占めています。

なぜコンサル出身の起業家は成功するのか?

コンサル出身の起業家が成功する確率は高いといえるのではないでしょうか。
理由としては、2点考えられます。

  1. 起業家に必要なハードワークに耐えることができる
    起業家の仕事は明日の給与の支払をどうするかから、5年後の方針ぎめまで幅広く、土日問わず、働き続けなければならない存在です。
    そのため体力のない起業家はよほど質の高い仕事に没頭しないかぎり成果が出にくいといえるでしょう。その点、コンサル出身の方はハードワークに慣れており、かつ高いクオリティを追い求めることがスタンダードになっているため起業家として必要な働き方ができると推察されます。

  2. 優秀な地頭をもっている
    コンサルティング会社に入るにはそもそも高い地頭が必要となります。そのため優れた思考力ももっているため、ゴールを見据えた行動と進捗管理(=業務完遂能力)に長け、成功確度は高くなると推察されます。

インターネット系のビジネスを中心に様々な分野での起業が目立つ

ECは野菜、靴、アパレル販売といった特化型サービス

業種を見てみると様々な分野での起業が目立ちます。まず、ECについてみてみましょう。前述の南場智子氏もビッターズというオークションサイトからスタートしており、ECというのは起業における一つのトレンドでした。ATカーニー出身の久保氏はMuse&Co.(ミューズコー)を設立しています。

Muse&Co.は若い女性向けのアパレル系のキュレーションECサービスとなっております。ブランドごとに表示し、写真の割合が多いサイトです。アパレル系ECは「ZOZOTOWN」が頭一つ抜け出ており、その次にくるサービスは群雄割拠の状態です。ミューズコーはmixiに買収されさらに会員、売上ともに成長していくことが見込まれます。
参照:ファッション通販 MUSE & Co.

靴のECを行っているロコンドの田中氏は26歳でマッキンゼーのマネージャーとなりUCバークレーMBAを経て、ロコンドの経営に参画しています。ロコンドは30日間無料返品を打ち出し、会員獲得をおこなっております。確実な利益獲得に収まらず、成長路線を続けており資金調達も積極的に行っております。
参照「黒字化よりも規模拡大を優先」―売上高1兆円目指すロコンド田中社長が明かす成長戦略

すでにビッグプレイヤーとなっているのはオイシックスの高島氏です。高島氏はマッキンゼー時代に東京オフィスのEコマースビジネス領域を専門としてやっており、コンサルティング時代の知見が生きている起業の事例の1つであります。
コンサルティングは市場や時流という大きな枠組みから事業をみる仕事でもあり、起業時に大きなスケールで物事をとらえることに資しているのかもしれません。
オイシックスは野菜をはじめとした有機、無添加の食品の販売を行っております。品質の高さが幅広く支持されており同社は年々成長をしつづけています。2013年にはマザーズ上場を果たし、ビッグプレイヤーの一角に顔を並べるにいたりました。
参照:Oisix

バイオは専門領域に特化し大化けする可能性あり

バイオ系は4社ありますが、いずれも将来大化けする企業ばかりです。サンバイオ、サイフューズのようにすでに上場を果たしているところもありますが状況次第では、開発したものがさらに上市され、メガバイオベンチャーに化けていく可能性が大いにあります。

フォーブス調査による直近1年によるベンチャー投資家ランキングで1位となった加藤由紀子氏(SBIインベストメント)は、サンバイオへの投資で大きな成果を残しました。参照先の記事よると加藤氏は66億円のキャピタルゲインをSBIインベストメントにもたらしたとされます。サンバイオの会長でCo-CEOの川西氏はBCG(ボストンコンサルティンググループ)の出身です。

参照 日本のベンチャー投資家  最も影響力があるのは誰だ?

解析技術の提供や、医療コンサルティングを行っているメディビックも着実に成長している企業です。サンバイオやサイフューズといった開発のプレイヤーが成長する限りこのような医薬品まわりに関わる企業はなくならないので、さらなる飛躍に期待です。

iPS細胞の技術を活用した会社であるメディビックは創業者の三輪氏は三菱ケミカル、MBAを経てベイン・アンド・カンパニーで勤務した経験があります。ノーベル賞に代表されるようにiPS細胞は注目の技術であり、技術の発展とともに会社が成長していける分野であります。

業界に新しい風を呼びこむラクスル!

ATカーニー出身で印刷業界に革命をもたらし、若手起業家として非常に注目を浴びているのはラクスル松本氏です。コンサルタント時代に印刷業界のマーケットの大きさと、非効率さに気が付きラクスルの起業にいたりました。こちらもコンサル時代の経験が生きた起業になっているといえます。

マッキンゼー出身の清水氏が設立したのはAgICです。同社のHPには「AgICは誰もが簡単に電子回路の製作ができる製品・サービスを創造する企業です。」とあり、研究室で開発された、電子回路製作技術に取り組んでいます。東京大学大学院情報理工学研究科に在籍中に技術開発を行い、その後マッキンゼーに一度就職した後に創業にいたりました。このようなテクノロジー系ベンチャーは目がはなせません。

ネイルチップのEC販売を行うミチはアクセンチュア出身の中崎氏によって設立されています。同じくアクセンチュア出身の吉松氏がCEOをつとめる「アットコスメ」運営のアイスタイルから出資を受けています。

ネイルチップ(つけ爪)専門店ミチネイル

1.シバタアキラ 白ヤギコーポレーション CEO

コロンビア大学MBA。パナソニックでは中国事業立て直しや大型買収案件を担当。その後、ボストン・コンサルティング・グループ入社し、プロジェクトリーダーとして活躍。

2.久保裕丈 ミューズコー CEO

東京大学大学院新領域創成科学研究科を卒業し、外資系コンサルティングファーム、A.T.カーニーに就職。5年間のコンサルとしてのキャリアを経て、2012年2月にミューズコー株式会社を設立。2015年3月末に同社がミクシィに買収された後もCEO継続。

3.宇佐美進典 VOYAGE GROUP CEO

1972年生まれ。愛知県出身。1996年早稲田大学を卒業し、トーマツコンサルティングでの大手金融機関の業務改善などを経て1999年10月にアクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)を創業し、COO(最高執行責任者)就任。同年11月、懸賞サイト「MyID」をオープン。2001 年サイバーエージェントの連結対象子会社になる。2002年CEO(最高経営責任者)就任。2004年価格比較サイトの「ECナビ」をオープンし、2012年サイバーエージェントからMBO(経営陣が参加する買収)で独立。2014年7月東証マザーズに上場を果たす。

4.高橋勇人 ジェネックスソリューションズ CEO

京都大学理学部を卒業し、同大学院の理学研究科へ。卒業後はアクセンチュアでIT戦略、業務改革、業務システム設計、開発に従事。その後、ジェネックスパートナーズに参画。外食、アミューズメント、ヘルスケア、IT、製造、金融など様々な業界における企業価値向上を手掛ける。

5.中崎瞬 ミチ CEO

横浜国立大学、東京大学大学院卒業。アクセンチュアに入社し2年勤務したのち、起業。その後、2社目となる「ミチ」を創業し代表就任。

6.口石幸治 サイフューズ CEO

1995年から松下通信工業(現:パナソニックモバイル)において携帯電話のエンジニアを務める。商品企画、詳細部分の設計、生産立ち上げ支援など幅広い業務に携わる。2001年からRYUKA国際特許事務所で、発明の発掘と出願を支援。2005年からマッキンゼー・アンド・カンパニーで、国内外製造業のオペレーション改善を中心に、大手電機メーカーのビジネスデューデリジェンス、外資系ヘルスケア企業の組織設計およびM&A後の支援等に従事。2009年同社を退社してサイフューズ設立。

7.田中裕輔 ロコンド CEO

2003年一橋大学経済学部卒業後、マッキンゼーに入社。26歳で同社史上最年少マネージャーに就任。2009年、カリフォルニア大学バークレー校でMBAを取得し、アメリカでナロー・アース社を起業し、売却。DeNA Globalの製品・マーケティング担当上級副社長を経て、2011年1月、靴の通販サイト「ロコンド」を運営する株式会社ジェイド(現:ロコンド)の創業に参画。翌月、代表取締役兼共同創業者に就任。

8.上村一行 アイアンドシー・クルーズ CEO

明治学園中学高等学校を卒業後、大学在学中に21歳で友人らと一緒にPC販売の会社を立ち上げる。きっかけは友人に言われた、「PCも使えないの?」という一言。注文に応じて部品からPCを組み立てて販売していた。卒業後は外資系コンサルティングファームに入社し、大手総合商社等の経営改革を担当し、3年で転職。友人が立ち上げたベンチャー企業の経営者を支援する会社で幅広い業務に従事。親戚の会社を一時引き継いだ後、2008年に現在の会社を設立。

9.太田睦 ギフティ CEO

神奈川県出身。2007年、慶應義塾大学SFCを卒業。新卒で2009年までアクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ。2010年にWEB制作会社を経て、2010年8月よりgifteeのCEOに。

10.高橋理志 エンターテイメント・キック CEO

慶應義塾大学SFC卒業後、2006年外資系コンサルティングファームA.T. カーニーへ入社。仕組みを作るためにも、まずはビジネスを創れる人になろうという考えの下、経営コンサルタントに。「論理的に考えること」をみっちり叩き込まれる。2008年、大学の同級生が立ち上げたベンチャー企業で、後にクックパッドが買収するCyta.jpに3人目のスタートアップ社員として参画する。顧客向けビジネスの基礎を学ぶとともに、まっさらな状態からサービスを創っていくことの楽しさを知る。2011年 エンターテイメント・キック株式会社を設立し、FindJPNをリリース。後にサービス名をVoyaginに変更。現在は楽天グループの傘下に。

11.吉松徹郎 アイスタイル CEO

1995年4月、化粧品原料メーカーの香栄興業株式会社に入社。研究開発部所属。1997年5月化粧品メーカー、株式会社キスミーコスメチックス(現・株式会社伊勢半)に移る。商品開発部に属し、プランナーとして商品の企画開発に従事。1999年7月に有限会社アイ・スタイルを設立し、@cosme立ち上げに参画。同年12月に正式リリース。2000年、株式会社アイスタイルへ組織変更。2009年12月同社取締役就任。

12.高島宏平 オイシックス CEO

1973年生まれ。神奈川の名門、聖光学院高校出身。東京大学大学院工学系研究科を修了。父の仕事の都合で、幼稚園から小学校の間に計5回の転園、転校を繰り返す。丈夫ではなかっ た自分を克服するため、小学生時代からサッカーを始める。高校では体育祭を復活させるなど、様々なリーダー役を経験し、それが元で、将来も何かのリーダーとして活躍したいと考える。大学時代は、学生の国際交流活動、ベンチャー企業でのバイトに明け暮れた。就職のタイミングを逸して大学院に進み、ベンチャー企業を立ち上げ。大学院修了と同時に、外資系コンサルティングファームとして世界的に有名なマッキンゼーに入社。2000年5月の退社まで、Eコマースグループのコアメンバーとして活躍。退職の翌月、インターネットを通して、安全でおしい食材を一般家庭に宅配するオイシックス 株式会社を設立。代表取締役社長就任。2006年、Entrepreneur of the year Japanファイナリスト。2007年、DREAM GATE AWARD2007受賞。

13.刀禰真之介 Miew CEO

1979年生まれ。神奈川県出身。明治大学政治経済学部を卒業し、デロイトトーマツコンサルティング株式会社(現在はアビームコンサルティング株式会社)、UFJつばさ証券株式会社(現在は三菱UFJモルガンスタンレー証券株式会社)、株式会社環境エネルギー投資等でキャリアを積み、2011年3月、Miew設立。コンサルティング、投資銀行、ファンドと学生に人気の様々な業界を全て経験し、起業する。専門はベンチャーストラテジー、ベンチャーファイナンス。ベンチャーナウ(http://www.venturenow.jp/)では、Mr5として「元金融マンの備忘録」というコラムを執筆する。ベンチャーストラテジー、ベンチャーファイナンス、最新のベンチャー情報を公開している。

14.大賀康史  フライヤー CEO

2003年にアクセンチュア(株)に製造流通業本部で入社し、同社の戦略グループに転属後、フロンティア・マネジメント(株)を経、2013年6月に株式会社フライヤー設立。「アクセンチュア流 逆転のグローバル戦略―ローエンドから攻め上がれ(英治出版)」の執筆に関わっている。

15.松本恭攝 ラクスル株式会社 CEO

1984年生まれ。富山県出身。大学卒業後、外資系コンサルティング会社のA.T.カーニーに入社。クライアント企業のコスト削減プロジェクトに従事する中で、印刷費が最もコスト削減率が高いことに気付き、印刷業界に興味を持つ。調べてみると6兆円の市場規模がある印刷業界に効率化が行われていないことに注目し、インターネットの力で印刷業界の仕組みを変えるべく2009年9月にラクスル株式会社を設立。印刷会社の非稼働時間を活用した印刷のEコマース事業を展開する。現在は中小企業のチラシを使ったオフラインでの集客活動を支援する「集客支援プラットフォーム」事業の展開を加速させている。

おわりに

いかがでしたでしょうか?外資系コンサルティングファーム出身の起業家には様々な方がいることがよくわかったのではないかと思います。
並外れた頭脳と体力をもつコンサルティング出身の起業家には今後とも注目です。