【完全版:時価総額1位は?】2015年上場したCEO39人と株主を分析してみた

query_builder2015/12/02 folder分析
逆境 起業家 上場,IPO

はじめに

上場(株式公開,IPO)は多くの経営者が目指している一つの通過点です。トヨタをはじめ日本の有名企業が上場しているのは東証1部ですが、ベンチャー経営者にとって、はじめての上場というと近年はマザーズが一般的です。1999年にマザーズが誕生し、2000年に初のマザーズ上場企業が誕生してから順調にマザーズ上場企業数は増え続け、2013年は26件、2014年には41件、2015年には、上場予定も含めると約50件の上場が毎年マザーズで行われてきています。

description

マザーズ上場のうち時価総額No.1はどこだ?上場時の時価総額を見てみる

早速、2015年マザーズ上場を果たした企業とCEOおよび時価総額についてまとめてみましたので見てみましょう。

description

*1イノベーション・エンジン創薬支援投資事業有限責任組合 *2カルチュア・エンタテインメント株式会社 *3R.S TECH HONG KONG LIMITED *4 1千万単位以下は四捨五入をしております。また、時価総額は上場時発行済株式数に、上場時1株あたりの始値をかけたもの。 そのため現在の価格とは大きく異なる場合があります。(ハウスドゥは現在時価総額80億程度 11/24現在)

(計算方法):(CEOの株式保有数)×(上場時の価格)=資産価値目安
参照: 新規上場会社情報 | 日本取引所グループ - 東京証券取引所
参照:Yahoo!ファイナンス

時価総額はバイオベンチャーが1,2フィニッシュ

上場時の時価総額(上場時発行済株式数に始値をかけた値)では、バイオベンチャーのサンバイオが1位となっています。サンバイオは脳梗塞、脳神経疾患といった、治療薬の開発を行っている企業です。CEOはじめ、役員はBCG(ボストン コンサルティング グループ)出身者が中心であり、経営者全員が理系のバックグラウンドをもつバランスのとれた企業です。もともとCo-CEOの川西氏と森氏が米国で立ち上げた会社です。国にとらわれず、需要が見込めるビジネスを展開しておりこれからの伸びが期待できる会社です。

参照:サンバイオ株式会社

2位も眼科手術補助剤の開発を行っているヘリオスです。会社の知名度自体はビジネスがB to Bの医療関係であるため低いですが、2011年創業し、わずか4年で上場したことになり、スピード上場になります。CEO鍵本氏は、眼科医のバックグラウンド、また大学発のバイオ技術によって眼科手術用の薬剤を開発しました。ヘリオスの役員紹介ページを見ると医師、学者のバックグラウンドを持つ人がズラリと並んでおり、超プロフェッショナル集団だということが分かります。

参照:株式会社ヘリオス

3位以下は、ゲームも含むインターネットビジネスを中心とした会社が並んでいます。インターネット系の会社は「上場ゴール」と揶揄される会社もありますが、多くのベンチャー企業は上場を1つの通過点としてしかとらえていないため、事業の拡大に向けて新しい施策を打ち続けています。3位のメタップスは、赤字決算で上場し、一旦株価は下がったものの順調に株価は上昇トレンドで推移しています。CEOの佐藤氏は大きな視野で物事をとらえ次世代のビジネスを考えている起業家です。

下記に上場時時価総額:200億円以上企業をランキングでまとめてあります。

description

ベンチャーキャピタル(VC)と経営陣の保有株の関係

description

企業が成長にレバレッジをかけるためベンチャーキャピタル(VC)から資金を調達することは日本においても一般的になっています。上場時のCEOの株式比率を見てみるとまさに千差万別です。注目はCEOだからといって株式をたくさんもっているわけではありません。なぜならCEOが交代した、もしくはCEOは株を多く所有しているが、資産運用会社が保有しているといったケースがあるからです。

そこで、上場時の株主構成を4パターンに大別してみました。
株式保有についての参照サイト:新規上場会社情報 | 日本取引所グループ

1.創業社長が上場時まで株式を多くもっている場合:ヘリオス

description

上述のヘリオスは、CEOの鍵本氏が80%以上を保有しています。VCではみずほキャピタルの資本が入っていますが、それでも1.5%程度です。また、外部株主の筆頭は、製薬業界でシナジーがある大日本住友製薬ですが、4.5%程度しか保有していません。外部株主の意見に影響されにくく安定した経営ができるため今後、CEOが外野の声に遮られることなく、成長路線を描いていけるのではないでしょうか。

2.社員で株式を保有している場合:イトクロ

description

イトクロについては、CEOの山木氏について述べる必要があります。山木氏は創業メンバーではなく、リクルート、カカクコムを経てイトクロに入社したにもかかわらず、筆頭株主となっています。イトクロは会社名の由来にもなった伊藤氏と黒岩氏によって2006年に創業された企業ですが、伊藤氏は、黒岩氏ともに代表を山木氏に譲り、イトクロを離れています。その際に、山木氏が黒岩氏から株式を買い取ったものと推察されます。リスクをとって株式を買い、上場までもってきた山木氏の経営手腕には驚かされます。そして上場時の株主構成を見ると、役員だけでなく、イトクロに長年貢献している社員が大株主となっています。会社としては、従業員で株主が構成されているということは一つの理想的な形といえるのではないでしょうか。

3.創業社長の持ち株比率が低い場合:Gunosy

description

Gunosyは創業メンバーではなく、かつ今は同社を離れている投資家の木村新司氏が筆頭株主となっています。Gunosyは現CEOの福島氏が東京大学大学院の2年のときに設立された会社です。堀江貴文氏の注目を集めるなど、多くのユーザーを抱え成長したサービスです。創業から約1年後に木村新司氏が共同代表に就任してからは収益化をはじめ、爆発的な同社の成長に大きく貢献しました。エンジニアリングに長けている福島氏と、経験豊富な木村氏の経営能力によって、創業わずか3年ほどで上場となりました。ニューステクノロジーは競合プレイヤーも多いのですが、CEOがエンジニア出身の強みを活かして新たな構想の実現に着手しているようです。

4. VCの持ち株比率が高い場合:イード

description イードはGlobisが筆頭株主になっているのをはじめ、外部株主によって大多数を占められています。イードは日産の子会社(後にMBOにて独立)と、インターネット総合研究所の子会社が合併してできた会社です。宮川氏は2002年から代表取締役をつとめているものの、創業メンバーでないこと、また合併した背景もあり持ち株比率は3.6%程度に留まっております。イードは三越伊勢丹ホールディングスや、博報堂DYメディアパートナーズといった大企業が大株主に入っているのが特徴です。また、住友商事からも資金調達したこともあり、様々なステークホルダーが関わっています。

婚活や街コンの会社も続々と上場!最近の上場事情

上場企業群のなかで、これまでとは違ったジャンルの企業や珍しい企業はあるのでしょうか?一部リストアップしてみました。

(株)日本動物高度医療センター

高度な疾病を治療する為の2次診療専門の動物病院。
参照:株式会社日本動物高度医療センター

日本スキー場開発(株) 

スキー場の運営及びスキー場の運営に関する総合コンサルティング会社。
参照:株式会社日本スキー場開発

AppBank(株)

有名Youtuberであるマックスむらい氏が元CEO。(現在のCEOはマックスむらいの中学校からの友人で創設者である宮下泰明。)
参照:株式会社AppBank

(株)リンクバル

街コンサイト「街コンジャパン」や、恋に悩む大人の女性の恋愛を応援する恋愛情報サイト「KoiGaku」を運営している。
参照:株式会社リンクバル

(株)パートナーエージェント

婚活支援サービスを運営しており、婚活情報の提供や、マッチングを行っている。
参照:株式会社パートナーエージェント

やはり注目を集めるのは、世相を反映した事業を展開しているリンクバルとパートナーエージェントです。晩婚化や未婚率が社会問題として取り上げられ、婚活や街コンといった出会いに関したサービスはどんどん増えていくと考えられます。エウレカが運営する「pairs」、ネットマーケティングが運営する「omiai」、リクルートが運営する「ゼクシイ恋結び」といったアプリサービスが人気となっています。今後、出会いをテーマにしたビジネスの企業の上場が増えていくことが予想されます。

また、Youtuberとして有名なマックスむらい氏が元CEOで、ニュースのまとめやアプリレビューなど一般的なインターネットビジネスを行っているAppbankも上場しました。Youtuberが本業というわけではありませんが、Youtuberが会社を上場させたというのは非常に時代を感じさせることではないでしょうか。

AKB秋元康氏も株主の企業が上場!創業者と上場時CEOが異なる会社

会社を経営していると、様々な事情によりトップが交代することが多々あります。100年以上続く大企業であれば社長交代は定期的に行われるのは当然ですが、設立数年のベンチャーで創業者が変わるのは多方に影響を与える大きな出来事です。そこで今回は上場した企業で創業者と現在の社長が違う企業をチェックしてみましょう。

先ほども話題にあげたイトクロの山木氏は途中からイトクロに参画し、CEOとなり上場まで導きました。

クラウド・ビッグデータ事業を手掛けており、あのAKBの秋元康氏も株主に名を連ねるジグソーもその一つです。

現CEOの山川氏はリクルートを経てジグソーの役員として中途で入社し、CEOに後に就任しました。その過程で株式の買い取りを行い、今では、筆頭株主に次ぐ大株主となり会社を経営しています。

また、シリコンスタジオは、関本晃靖氏によって設立されましたが同氏は現在会長へ退き、現在は、中途で入社をした寺田氏がCEOとして経営を行っています。

このように新興企業が多いマザーズといってもCEOが2人目以降で上場する会社もあります。

2015年上場のCEO(一部のみ)

2015年に上場したCEOの経歴はどのような方がいるのでしょうか。9人ピックアップしてみました。ぜひご確認ください。

1.古俣大介 ピクスタ(株) CEO

1976年生まれ。2000年3月、大学4年時に株式会社ガイアックスにインターンとして入社、そのまま正社員に。2000年9月、同社子会社立上げに参画し、取締役就任。2002年1月有限会社万来を設立、取締役社長就任。2003年3月同社を撤退し、美容健康グッズのEC事業を始める。2005年8月には株式会社オンボード(現ピクスタ株式会社)を設立し、代表取締役社長に就任。デジタルフォト関連の事業を開始。2015年8月マザーズ上場を果たす。 2002年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了。卒業後2002年4月に株式会社リクルートに入社し、人事システムや広告の営業に携わったのち、2004年4月株式会社カカクコムに入社、事業開発に携わる。その後2006年に株式会社イトクロ取締役に就任し、2009年に同社代表取締役就任。

2.佐藤航陽 (株)メタップス CEO

早稲田大学法学部在学中の2007年にメタップスを設立し代表取締役に就任。検索エンジン、ソーシャルメディア、Eコマースのマーケティング事業を立ち上げ収益化。2011年よりアプリ収益化プラットフォーム「metaps」をシンガポールで開始し、アジアを中心に世界8カ国で事業を展開。2013年より「SPIKE」の立ち上げにも従事している。

3.坂口直大 (株)ファーストロジック CEO

元ITコンサルタントで、物件を購入するために業界を深く調査する過程で不動産投資に関心を持つ人の多さと、一方で多くの人が不動産投資の情報を得るのに不自由している現状を知る。そこで自身の持つITのノウハウを駆使し、物件を買いたい投資家と売りたい不動産会社をマッチングする仕組みを作ろうと2005年にファーストロジックを設立し、『楽待』をリリース。

4.森敬太 サンバイオ(株) CEO

 東京大学農学部農芸化学科卒、同大学大学院農学系研究科農芸化学専攻修了。カリフォルニア大学バークレー校MBA取得。麒麟麦酒株式会社にて、生産管理および研究開発に従事し、米国サンフランシスコ・ベイエリアのインフォマティクス関連企業の新製品開発責任者を経て、SanBio, Inc.を設立、現在Co-CEO。

5.福島良典 (株)Gunosy CEO

1988年愛知県生まれ。東京大学大学院工学系研究科修了。在学中に情報キュレーションサービス「Gunosy(グノシー) 」を開発。2012年には株式会社Gunosyを設立。2013年初頭にスマートフォンアプリをリリース。2015年に入って累計900万ダウンロード突破4月28日の東証マザーズ上場(IPO)後、初値は公開価格と変わらず1520円。東大卒、20代の天才若手エンジニア社長として注目を集めている。

6.小田健太郎 (株)アイリッジ CEO

慶応義塾大学経済学部卒業後、NTTデータを経て、ボストン・コンサルティング・グループ入社。モバイル業界を中心に、事業戦略、新規サービス立ち上げコンサルティングを多数実施。2008年アイリッジを創業し、代表取締役社長に就任。

7.宮下泰明 AppBank(株) CEO

1981年生まれ。石川県出身。株式会社マキタ、株式会社GT-Agency監査役、the MLLC代表を経て、2008年にiPhoneアプリのレビューサイト「AppBank.net」を開設する。2012年にAppBank株式会社として法人化。2013年にはiPhoneグッズ等の販売を行うAppBankStore株式会社にて代表取締役就任。2015年からはAppBankの代表取締役社長CEOを務める。

8.椎葉忠志 (株)Aiming CEO

1973年生まれ。立教大学卒業後、1997年テクモ株式会社に入社。2003年、株式会社ゲームオンに入社、2006年12月東証マザーズにIPO、2008年3月同社常務取締役退任。2008年6月、ONE-UP株式会社代表取締役就任。2011年5月同社退任。2011年5月から現任。家庭用ゲーム開発からゲーム業界のキャリアをスタート。ゲームオンでは日本で最初に最も成功したFreeToPlay(基本無料)型MMORPG「REDSTONE」の立ち上げなどが有名。

9.山川真考 (株)ジグソー CEO

1967年生まれ。関西学院大学法学部1989年卒業後、新卒でリクルートに入社。2000年、トランス・コスモスに移り、2002年取締役就任。2004年7月、株式会社ユニキドを設立し代表取締役就任。2005年5月アイピー・テレコム株式会社取締役就任。2008年、社名変更。同年CEO就任。

終わりに

いかがでしたでしょうか。上場といってもいろいろな事情があることがわかったのではないでしょうか。
共通するのは、起業家の中でもリスクをとって大きなチャレンジをしないとこのステージまでこれないという点です。

今後さらに上場が増えて日本のベンチャーがもっと盛り上がっていくことを期待しています。