経営は旅のようにはいかない?旅行系スタートアップ14社資金調達、経営者事情

query_builder2015/11/17 folder分析
起業家 旅行

はじめに

近年、新たな盛り上がりを見せているのが旅行系スタートアップです。絶景本が人気になるなど旅行自体が注目を浴びている、また旅行を取り扱っていることもあり会社自体がリア充感がでている等、多くのメディアによく取り上げられています。特にAirbnbは世界中で爆発的な広がりを見せており、世界中の旅行者の間で広まり今や日本でも有名なサービスとなっております。今回は、旅行系スタートアップ14 社に関して資金調達、事業内容、経営者の経歴についてまとめています。

資金調達額ではアソビューが頭一つぬけているか

旅行系ベンチャーリスト

非公開のものもありますが、アソビューが旅行系スタートアップでは頭一つ抜け出ている模様。これまで少なくとも8億円以上の資金調達が実施されており、事業拡大に意欲的なことがわかります。旅行業界のドンともいうべき存在であるJTBが出資を行っております。JTBとしては初のITベンチャーへの投資ということで業界内でも注目される出資であったことがわかります。

参照:[JTB×アソビュー JTBグループ初となるITベンチャーへの資本参加、着地型商品の販売強化を目的とした包括的業務提携を締結

Investorとしては、シード段階に出資を行うEast Venturesが3社となっており目立っております。East Venturesの投資家が旅行が好きなのかは定かではありませんが注目をおいている業界であることは間違いないでしょう。また、リクルートストラテジックパートナーズも2社投資を行っており、じゃらんをはじめ旅行系のサービスをもつリクルートとシナジーがあるからかもしれません。

旅行系サービスはスケールしないのか?

旅行系サービスは旅行好きな人も多いせいか、立ち上がりが多い印象ですが、上場をしている企業、バイアウトしている企業では日本ではまだまだ少ないです。かのJTBも上場はしていませんが、旅行業界で上場している会社は企業数に比して少ないのではないでしょうか。2015年12月17日にトラベルコちゃんを運営するオープンドアが上場することになり、旅行系サービス単一での上場は久しい印象です。(参照: 新規上場企業の横顔:オープンドア(12月17日マザーズ上場))

またVoyagin(旧エンターテイメントキック)は楽天に買収されるなどバイアウトされる企業も実際に事例としてあります。 (参照:楽天がアクティビティ予約のVoyagin(ボヤジン)を買収 )  

本題に戻ると旅行系サービスは、参入障壁の低さ、大手が独占している市場があることからビジネスが飛躍的に大きくなりづらいですが、前述のアソビューやLoco Partnersは確実に成長をしている印象です。特にLoco Partnersはリクルートで旅行カンパニー出身のCEO篠塚氏やJTB出身のCSO塩川市など旅行ビジネスを知り尽くしたプロがビジネスを展開しているため成長をしています。Loco Partners は2012,13,14と資金調達を行っており億単位の資金調達をしています。厳選した施設を紹介するreluxがユーザーの心をつかんでいるのでしょう。

経営者は旅人が多いのか?

旅行と想像すると世界一周が好きそうな旅人が運営しているのではないかという印象もありますが、上記の資金調達を行っている14社の経営者について下記にまとめます。

1.三木健司 Rising Asia 

高校校卒業後、大阪にてソフトバンクの代理店を立ち上げ1億円の売上を達成。また、関西・九州・名古屋で街コンを初期に企画し一大ブームの礎を作る。その後、より大きな市場が東南アジアにあると感じ旅に出て、途中タイのプーケットで日本人に対しツアーを開催し個人で30万円の売上を上げ、個人がしていたことを多くの人に提供しようと「たびたつ」を運営する、RisingAsiaを設立。

2.斎藤康太 Carnival.Inc.

1988年生まれ。早稲田大学高等学院を卒業後、早稲田大学に進学。大手人材コンサルティング会社の就職を辞退して、ソーシャルリクルーティングの創業に参画。取締役COOとして同社の拡大に貢献。その後、インドの語学学校「misao」の手伝いを経て、EventCarnivalの創業。

3.中村俊一 株式会社アドベンチャー

2004年10月、旧株式会社アドベンチャーを設立し代表取締役に就任。2005年3月慶應義塾大学商学部を卒業する。2006年12月当社設立 代表取締役就任(現任)。2010年9月ビッグハートトラベルエージェンシー株式会社 代表取締役就任(現任)

4.太田英基 株式会社スクールウィズ

1985年生まれ。東北の温泉街出身。大学2年時にビジネスプランコンテストで最優秀賞を獲得し、株式会社オーシャナイズを仲間と起業。広告事業「タダコピ」を手掛ける。丸5年働いた後、会社を辞めて世界一周へ。「若者のグローバル志向の底上げ」を使命としたサムライバックパッカープロジェクトを立ち上げ、スポンサーやタイアップメディアを獲得。フィリピンでの英語留学3ヶ月間を経験した後、約2年間、50ヶ国を旅しながら、現地のビジネスマンを中心とした様々な人たち1,000人以上と交流をする。その様子を宣伝会議、ビジネスメディア誠、東洋経済、AERA、マイナビなどに寄稿。2011年7月には旅中に東洋経済新報社から、『フィリピン「超」格安英語留学』を出版。近年人気急上昇中のフィリピン留学の仕掛け人と呼ばれる。帰国した2012年7月以降、各方面から講演依頼・執筆依頼をうける。2013年、School Withを立ち上げ、代表取締役に就任。

5.石田言行 株式会社trippiece

1989年生まれ。中央大学在学中にNPO法人うのあんいっちの理事として活躍。その後、学生起業家として、株式会社trippieceを設立。

6.高橋理志 Voyagin Pte. Ltd.

慶應義塾大学SFC卒業後、2006年外資系コンサルティングファームA.T. Kearneyへ入社。仕組みを作るためにも、まずはビジネスを創れる人になろうという考えの下、経営コンサルタントに。「論理的に考えること」をみっちり叩き込まれる。2008年、大学の同級生が立ち上げたベンチャー企業で、後にクックパッドが買収するCyta.jpに3人目のスタートアップ社員として参画する。顧客向けビジネスの基礎を学ぶとともに、まっさらな状態からサービスを創っていくことの楽しさを知る。2011年 エンターテイメント・キック株式会社を設立し、FindJPNをリリース。後にサービス名をVoyaginに変更。現在は楽天グループの傘下に。

7.宮崎大介 株式会社タビーナ

タビーナCEO。Best Growth Award受賞やベスト旅行アプリにフィーチャーされるなど注目を集めている。

8.山野智久 アソビュー株式会社

1983年千葉県生まれ。学生時代に起業し、代表として地元柏市でフリーペーパーを主宰。地域の情報発信を目的としたもので、累計30万部発刊。2007年、新卒でリクルートに入社。HR事業部にてコンサルティング営業、事業開発室にて新規事業立ち上げを経験。2011年3月、カタリズム株式会社(現:アソビュー株式会社)を創業し、代表取締役就任。

9.堀江健太郎 株式会社ワンダーラスト

自身が頻繁に利用していた、旅行先で現地の家に泊まることができるカウチサーフィンというサービスを、日本で貸し手として提供した経験から、旅についての会社を設立したいという思いが募る。カウチサーフィンで貸した相手の人数は200名程度。2008年から働いていた日本IBMを辞し、2013年株式会社ワンダーラストを設立。代表取締役CEO就任。社名の由来はドイツ語で「旅への渇望」。

10.篠塚孝哉 株式会社Loco Partners

1984年生まれ。2006年に東洋大学経済学部を卒業し、Washington State Universityへ留学。帰国して2007年リクルートに新卒入社。旅行カンパニーに配属される。2011年9月にLoco Partnersを創業し、代表取締役就任。著書として整理の習慣(かんき出版)がある。メディア出演歴として、産経新聞、日経新聞、テレビ東京、日経アソシエ、等。

11.上山康博 株式会社百戦錬磨

私立桃山学院高校1979年卒業。2007年8月までKLab株式会社にて、マネージャー、部長、取締役CMO、取締役西日本支社長を経て、取締役事業本部長を務める。同年9月より楽天トラベル株式会社にて執行役員(新規事業担当)就任。新規サービスの立ち上げに従事。 交通機関とのダイナミックパッケージなど、ITを活用した数多くの先進事業を開発する。観光庁や業界団体との連携を強めることに寄与し、若者旅行研究、着地型旅行の調査、一橋大との共同研究、ビジットジャパンプラス、東北観光博PJなどに参加した。2012年同社を退職し、2012年6月株式会社百戦錬磨を設立、同社代表取締役社長就任。首都大学東京にて非常勤講師も務める。

12.田中大介 株式会社Youtfit

1983年生まれ。広島出身。東京都立大学法学部を卒業し、2008年サイバーエージェントに入社し、広告企画営業を担当。2012年Genestreamを設立。

13.池田賢一 株式会社Travee

1990年生まれ。立教大学では観光学部で学び、ツアーコンダクターの仕事を務め、バンコクによく通ってた。そのときの縁で、ASEAN 相互支援協会という NPO の理事を今でも務めている。2015年4月、株式会社Travee設立。CEO就任。

14.水谷寿美 vivit株式会社

1985年2月生まれ。2007年青山学院大学を卒業後はサイバーエージェントに入社。その後2011年2月にGREEに転じて、ビジネス部門のシニアマネージャーを担当する。2014年1月にvivit株式会社を創立し代表取締役に就任。名前は「ひさよし」と読み男性である。

旅行系に関係していた人は半分ほど

trippiece 石田氏やワンダーラスト堀江氏は創業前に旅行系のサービスもしくは企画に携わっている、また、百戦錬磨上山氏やLoco Partners篠塚氏は旅行系サービスの会社の出身。Travee池田市は大学が立教の観光学部出身と生粋の旅行系のバックグラウンド。半数程度がこういったバックグラウンドから自身も旅好きであり、自分でビジネスとして独立した人が多いのではないかと考えられます。

Voyaginの高橋氏は外資系コンサルティングのATカーニーの出身です。ATカーニーは注目の起業家のラクスル松本氏もATカーニー出身であることから注目の起業家輩出企業といえます。一方、スクールウィズの太田氏はオーシャナイズの創業メンバーの1人であり、その後旅人として世界を旅した、「旅人系起業家」であります。スクールウィズは旅行系サービスではないかもしれませんが、太田氏が旅人としてのバックグラウンドがあるため掲載しております。

おわりに

いかがでしたでしょうか?旅行系スタートアップの運営するサービスはとにかくおもしろいものが多いのではないでしょうか。戦略的にサービスを考えつつ、ユーザーさらには自分たちが楽しんで事業を拡大している印象があります。楽しんで仕事をしたい方には旅行スタートアップは一つの選択肢としてアリなのではないでしょうか。